新しい時代をしなやかに進むためのリーダーシップとは?

風の時代に入り、世の中の動きや形も少しずつ変化しつつあるのが感じられるようになってきました。新しい時代にふさわしく、考え方もアップデートしていきたいもの。

今回はそんな時代に求められるリーダーシップについて考えていきます。

リーダーは先頭に立って引っ張るばかりではない

「リーダー」と聞いてどんなイメージを持つでしょう?

組織やチームの先頭に立つ旗振り役でしょうか。「俺について来い」とメンバーをグイグイ引っ張り目標に向かって邁進していくイメージを抱く方も多いかもしれませんね。

確かに、自ら先頭に立ち、困難を切り拓いていくリーダーは頼もしいもの。ただ、近頃はリーダーの役割も多様になってきていると感じるのです。

組織自体も、トップダウンによる「リーダーに従っていればOK」というものでもなくなってきています。メンバーそれぞれのスキルを互いに生かすフラットな組織も増えてきました。

このような状況の中で求められるリーダー像とはどのようなものでしょうか。

みんなで高め合うオーケストラの指揮者のように

メンバーの力をそれぞれ出し合い、よりよい方向に進めていこうというやり方を取る組織やチームも増えてきています。トップに従うだけではなく、パズルのピースのように独自のスキルで補い合い、問題解決をしていく。そのような仕事の進め方により自分が思っている以上の力を発揮できたり、他のメンバーの役に立てたと感じられたり。

別々の楽器を演奏しお互いを高め合っていくオーケストラのようなイメージですね。

そのオーケストラの指揮者の役割が新しい時代のリーダーシップです。

オーケストラ一人ひとりのメンバーはそれぞれの楽器のエキスパート、いわば全員がリーダーです。しかし、全体でハーモニーを奏でるならば全体を俯瞰し、指揮を取る人がいなければなりません。

全体最適のために優秀なメンバーのスキルや技術を生かし、ハーモニーを作り上げるのがリーダーというわけです。

無理なくリーダーシップを発揮するための見極め

では、どのような組織でも誰もがリーダーシップをとれるかといったら、そうはいきません。

リーダーシップをとるにも条件があります。ただし、難しいことではないのです。

どのような場であったら、あるいはどのような相手に対してであったらリーダーシップをとりやすいでしょうか。

人数や規模は? 男女比は? 親しい間柄の人ばかりの組織に対してでしょうか。それとも初対面の人たちの間でも大丈夫でしょうか。 まずは、自分自身のリーダーシップを無理なくとれる状況の基準を探っていくのです。

実地で試しながら自分がリーダーとしてのベストパフォーマンスを出せる基準や限界値を見極めていきます。それを踏まえた上で、リーダーシップを発揮できるかどうかを判断します。

すべての場でリーダーシップをとる必要はありません。自分の器に合った組織やチームでリーダーシップをとることにより、メンバーも自分も最良の結果を得られるようになるはずです。

トップダウンの組織自体が時代遅れであるとか、良くないということではないのです。トップダウンにもフラットな組織にも、組織の大小や状況により、それぞれの良さがあります。

肝心なのはあなたがリーダーシップをとろうとするときに「どんな組織にしたいか」です。行動と内省をしっかり行い、無理のない経営を行っていきましょう。 

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人生はフルマラソン。経営はその一区間です。 長距離だからこそ、適切な緩急が大切ですね。Twitterでも歴史、神社、史跡を題材に経営力を高めるためのヒントをつぶやいています。

筆者情報

大杉日香理

株式会社ATEA 代表取締役

セミナー講師・作家

これまでの著書が累計34万部にのぼる、ベストセラー作家。

子どもの頃から日本史に興味を持ち、全国各地の神社を含む史跡巡りは、事業開始より10年間で延べ1万カ所以上となる。歴史をひもときながら人生の緩急を整えていく「時代旅®︎コンサルティング」を経営者に向けて実施している。

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