大河ドラマ「鎌倉殿の13人」始まる この時代がドラマになるとは!

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」まさかこの時代がドラマのテーマに!

今年も新たなNHK大河ドラマが始まりました。

「鎌倉殿の13人」は、タイトルの示す通り、平安末期から鎌倉幕府の誕生、そして承久の乱で幕府が朝廷に打ち勝ち、幕府を盤石にするまでを描くようです。

さらに、その中心人物は鎌倉幕府を成立させた源頼朝ではなく、北条義時であるというのですから驚きです。

そもそも、鎌倉時代と聞いて、どんなイメージが浮かびますか?

「源頼朝」、「元寇」くらいという方も多いのではないでしょうか。それほど、これまでの鎌倉時代に対する印象は薄いように感じています。

ですから、今回の大河ドラマに鎌倉時代を取り上げ、しかも北条義時を中心人物に据えて展開すると知り、「これは面白くなりそう!」という気持ちでした。

実は鎌倉時代というのは、日本の長い歴史の中でもとても大きなターニングポイントのひとつなのです。

日本初の軍事政権、トップダウン方式ではない政治体制、そして承久の乱

天皇や公家が中心の時代においては、武士は野蛮であると卑下される存在でした。しかし、その忌み嫌われていた武士が日本の政治の実権を握っていくのが鎌倉時代です。

先人が成しえなかった日本初の軍事政権を樹立させたのが鎌倉時代の武士たちなのです。

13人の有力御家人による合議制というシステムも導入されます。特定のリーダーからのトップダウン形式ではない政治体制というのも初めてのこと。ドラマのタイトルが「鎌倉殿の13人」となるくらいですから、こちらも大いに注目すべきポイントです。

そして、承久の乱で天皇や公家と武士たちの関係性の逆転が決定的になります。

ただ、この承久の乱についてはこれまでドラマや映画などで詳しく描かれることはほとんどなかったことと思います。今回の大河ドラマで承久の乱がどのようにクローズアップされ、表現されていくのか楽しみにしています。

歴史に詳しい方は「自分の知っている鎌倉時代」とドラマのとらえ方の違いに着目していくと、より理解を深めることができるのではないかと思います。 また、「歴史は苦手……」という方にとっては、エンターテインメントとして鎌倉時代が描かれるということで、日本が大きく動いた時代を知るためのチャンスです。なぜなら、歴史を学ぶことはビジネスパーソンにとって非常に意義のあることだからです。

成功例も失敗例も……歴史は膨大な事例集

歴史を学ぶことは知識や教養としての意味ももちろんありますが、さらに重要なのは、歴史は非常に膨大な事例集であるということなのです。

ビジネスの現場というのは、さまざまな取捨選択、決定を迫られる場面の連続かと思います。その中で迷いや不安が生じることも多々あるのではないでしょうか。

歴史の中には、徹底的に客観視できる材料が豊富に存在し、それは、ときに近視眼的になっている思考をゆるめて視点をずらし、視野を広げる手助けとなります。

そんな事例集の中には成功例もあれば失敗例もあります。時代背景やルールの違いはありますが、本質的なところでは現代に生かせる共通項が必ずあるはずです。丁寧に分析しデータとして読み解いていけば、これほど役に立つ事例集はありません。

前例のない時代を切り拓き、歴史を築いていった先人の事例は、今を生きる現代のビジネスパーソンにも通じるでしょう。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の描く世界をきっかけとして、歴史のビジネスへの活用をシミュレートしていきましょう。

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Twitter更新中

人生はフルマラソン。経営はその一区間です。 長距離だからこそ、適切な緩急が大切ですね。Twitterでも歴史、神社、史跡を題材に経営力を高めるためのヒントをつぶやいています。

筆者情報

大杉日香理

株式会社ATEA 代表取締役

セミナー講師・作家

これまでの著書が累計34万部にのぼる、ベストセラー作家。

子どもの頃から日本史に興味を持ち、全国各地の神社を含む史跡巡りは、事業開始より10年間で延べ1万カ所以上となる。歴史をひもときながら人生の緩急を整えていく「時代旅®︎コンサルティング」を経営者に向けて実施している。

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