無形のものから想いをくみ取る力を養う

人生の中では自己解決できない局面に必ず出くわすものです。
経営にしても、プライベートに関してでも、どうにも身動きが取れない……そんな時に力となるのが歴史や先人の知恵です。
時代旅®では、神社を舞台として、歴史から力をお借りするための知識や方法などをお伝えしていきます。そのひとつが「無形のものから想いをくみ取る」ことの大切さです。
神社は土地の情報が集積する場所
時代旅®で、神社を基軸として考えを深めるのには大きな理由があります。
そもそも神社とはどのような場所なのでしょうか。もちろん神様がお祀りされているところなのは間違いありません。
では、その神様とは?
実は、その土地全体を神様として祀っているのです。土地といっても、ピンポイントでその場所やスポットということではなく、その地域全体をさします。
古来、土地は人間にとって収穫を得て暮らしを営む大切な土台です。その重要な土地全体を神様として祀るのは当然のことだったのでしょう。

大切な神様が祀ってある場所であれば人が集まりますよね。昔から、人の集まる場所には情報が集まってくるもの。そして、代々生きてきた先人の方々の想いや欲求も結晶化して残っているのです。
ですから、神社はその地域の情報や想いが歴史として色濃く残っている場所であるともいえます。しかし、その記憶や記録に文字という形はとっていません。
形のないものからくみ取り、自分ごととする
土地の歴史という情報を集積した神社は、現代でいう図書館のような存在です。しかし、図書館のように本や資料に文字としてつづられているというものではありません。まったく無形の情報です。
そこで必要となってくるのが想像力なのです。

想像力を駆使して無形のものから、もうすでにこの世にはない先人の想いをどうくみ取るか。自分なりに考えていくにつれ、その土地や歴史に対する捉え方が変わってくるはずです。
遠いどこかの誰かの物語ではなく、自分ごととして「自分だったらどうだろうか」という視点に次第になっていくでしょう。そこから、自分では知らなかった可能性(自力)に気づく瞬間につながっていきます。
「想いをくみ取る力」がもたらすもの
それまで気付かなかった自力を自覚するとともに、無形の想いをどうひもとき、捉えていくかというのは思考の訓練でもあります。人の気持ちや感情もまた無形のものなんです。
例えば、社内でも「社長にズバッと直接は言えないな」と思っている方も多いですよね。
経営者として、想いをくみ取る力や想像力が養われることにより、そんな方々の気持ちや想いをノンバーバルでくみ取りやすくなるのではないでしょうか。
さらに、もう一歩進めて、社内人事をスムーズにする効果もあります。
人事配置はどうしても能力重視で行ってしまいがち。抜擢を受けた社員の気持ちがその役目に対してついていっていないということが起こることもあるでしょう。
「想いをくみ取る力」は、そんな能力と感情の誤差を感じ取り、どう埋めていけば心地よく仕事を進めてもらえるか考えるのに役立ちます。

そこから、あなたのファンが増えるのではないでしょうか。なぜなら、人間というのは自分のことをわかってくれる人が好きだから。
「何も言っていないのに、この人はわかってくれている」というのは、大きな信頼となりますよね。
また、想像力に伴って観察眼も養われることから、お客さまが何を求め、何を不満に思っているのかをわずかな情報からキャッチしやすくもなるでしょう。
行き届いた対応が可能になり、その積み重ねが顧客創造にも繋がっていきます。
相手への思いやりや気遣いができるかは、想像力をどれだけ働かせることができるかというもの。
「無形のものから想いをくみ取る力」を身につけ、さまざまなビジネスシーンで役立てていきましょう。
今回は、「無形のものから想いをくみ取る」にはということでしたが、「固定観念の外し方については下記の記事でお伝えしています。併せてどうぞ。
「固定観念の外し方」については下記の記事でお伝えしています
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人生はフルマラソン。経営はその一区間です。 長距離だからこそ、適切な緩急が大切ですね。Twitterでも歴史、神社、史跡を題材に経営力を高めるためのヒントをつぶやいています。