【頑張りすぎに注意!】休むときのサインとおすすめの休み方

とつぜんですが、皆さんは「休む」ことは得意ですか。
私たち日本人は「頑張りすぎな民族」とよく言われますが、これは「休むのが苦手だから」かもしれません。そこでこの記事では、休んだほうがいいときのサインと、おすすめの休み方についてご紹介していきます。

計画を立てるのが好きな日本人

なぜ、私たちは頑張りすぎてしまうのでしょうか。その理由の一つは
「計画を立てるのが好きだから」だと思います。

得意、不得意にかかわらず、実はみんな計画をたてるのが好きなのです。

計画には、2つのパターンがあります。

(1)まるで仕事のように事細かに計画をたてる
(2)詳細は決めずに「こうなりたい」というゴールだけを妄想する


この2つの計画の立て方は、状況に応じてどちらも活用していきたいものではありますが、

どちらにしても
(1)の場合は計画通りに遂行しようとして
(2)の場合は途中経過が柔軟であるぶん、つぎつぎチャレンジしようとして

私たちはついつい頑張ってしまうのです。

どうして日本人はネガティブ思考なのか

日本人が頑張りすぎてしまう二つ目の理由は、ある研究結果で明らかにされています。

世界中の民族の特徴を調べた調査によると
「日本人はネガティブな思考をもちやすい」という結果が出ているのです。

ですがそこには、日本が災害国だからという明確な理由があります。

リスクの多い土地では、「○○かもしれない」と疑ったり「失敗するのでは」と考えたりしないと生き延びることができません。
つまり、「ネガティブな思考」は災害の多い土地に住むうえで必要な機能だったのです。

ところが現代では、科学が発展したおかげで、たとえ災害が起きてもある程度はリカバリーできるようになり、命を落とす危険性もかなり減りました。

となると、元々は生き延びるために必要だったネガティブさが、今ではマイナスな方向に作用してしまっていると考えられます。

○○は「休もう」のサイン

これらの背景が重なると、私たちはまるで「やらなきゃいけない病」にかかったかのように、休みをとってもサボっているような気持ちになったり、できない自分を責めてしまったりするのです。

こうした「罪悪感」は、人間の心をどんどん蝕んでいきます。
たとえ休みをとっても、心はずっと鞭を打たれているような状態なので、休むほど疲れる……という悪循環を生み出してしまうのです。

ですから、罪悪感がでてくるときほど、休みましょう。5分でも、1分でもいいので。

「ある程度終わったら休む」と思っていても、そのある程度はなかなかやってきません。一つこなせば、また新しいタスクが出てきてしまいます。
それに頑張りすぎることに慣れてしまった人は、「キリがいいところまで」という判断すら、冷静にはできていない場合もあります。

だから、ある程度終わらなくても、キリが悪く思えても、まずは5分休んでみてください。

おすすめの休み方

では、その5分をどのように休めばいいのでしょうか。

おすすめは、「なにも考えなくても済むモノ」を利用することです。
たとえば、映画、マンガ、小説など。誰かが作った世界に意識を向けてみてください。

「5分ではとても足らない」
と思うかもしれませんが、それでもいいのでとりあえず観てみましょう。

結果的に30分観つづけてしまってもいいと思います。もちろん仕事の締切直前なら話は別ですが、通常のときなら30分くらい手を止めても問題ないはず。
30分手を止めたからといって崩れ落ちるような生活なら、まずはそこを根本的に改善しなければなりません。

こうして、数分だけでも違う世界に集中すれば、その間は「次はこれをやって、あれをして」という自分を責めてしまう思考を止めることができます。


すると、不思議と仕事の効率も上がるのです。

私たちは、ロボットでもAIでもないので休まず働きつづけるなんてできません。心身ともに休む時間をつくることも、仕事のうちなのです。

むしろ休んだほうが、機能回復につながって、結果的にいい仕事ができるようになります。

頑張るときのサイン

では逆に、ほんとうに頑張るべきときは、どんなときでしょうか。

大きく3つのパターンで考えてみましょう。

(1)緊急事態のとき
(2)自分が叶えたい未来にたいして「これが重要だ!」という確信があるとき
(3)あらかじめ「自分の力を貸す」と決めていたケースが発生したとき


詳しくご説明します。まず(1)は非常時ですのでここでは省きますね。

問題は、通常モードのときに起こり得る(2)と(3)です。


(2)自分が叶えたい未来にたいして「これが重要だ!」という確信があるとき
この確信には、根拠はいりません。自分がチャンスだと思ったら、それが頑張るときです。でもこのときの「頑張る」は、「休む」ことでもあります。

え?大事なチャンスのときに休むの?と思われるかもしれませんが、力のかけどきだからこそ、倒れてしまっては元も子もありません。休むこともチャンスを掴むためには重要です。

それに、いったん休むことに注力したら、その分をリカバリーしようとしていつも以上に集中力が働くため、結果的にいいパフォーマンスにつながりやすくなります。
筋肉だって、大きく伸ばそうと思ったらいったん曲げる必要がありますよね。おなじように、人間も「頑張る」ためにはいったん「休む」必要があると覚えておいてください。


(3)あらかじめ「自分の力を貸す」と決めていたケースが発生したとき
これは、多少自分が無理をしてでも、「この人がこういう状況になったら自分が頑張る」と決めておくという意味です。
家族や友人、恩人など、思い浮かぶ顔はさまざまだと思います。そして、その困りごとのレベル感もさまざまでしょう。それを、ある程度考えておくのです。

もちろん最終的な判断はそのときにならないとわかりませんが、突発的な問題が起きてから考えても冷静な判断はできません。ですから、あらかじめ決めておくことが大切です。


このように、前もって「自分はどんなときに頑張るのか」を決めておけば、ほんとうの頑張りどきが分かりますし、逆にそうじゃないときは休んでもいいのだと理解できるのではないでしょうか。

頑張りすぎる呪縛から自分を解放してあげよう

実は「休まず頑張って成果を出す」という働き方は、昭和のころには通用していました。

ですが平成の約30年間をとおして、それだけでは太刀打ちできないことがわかってきています。時間をかければ、かならずしもいい結果になるとは限らないのです。

それなのに私たちは、ずっと「頑張ってなんとかしよう」という思考から抜け出せずにいます。
しかも休むことに罪悪感を持つという、とてももったいないエネルギーの使い方をしてしまっているのです。

27、28歳くらいまでなら、がむしゃらに体力勝負で頑張るのもいいかもしれません(おすすめはしません)が、それよりも、どうすれば気分が乗るかを考えたほうがずっと建設的です。


実は私自身も、休まず動き回っていたいタイプ。ですが今年に入ってからは、この頑張りすぎる呪縛を解こうと、意図的に休んで禊をしてきました。

ところが、当初は2~3ヶ月くらいで呪縛も解けるだろうと思っていたのに、結局8ヶ月もかかってしまったのです。当然サービス提供回数も、去年よりぐっと減りました。
すると罪悪感が出てきて、「自分のなかにも頑張って何とかしようという呪縛があるんだな」と気付いたのです。

でもここで、つぎのように考えました。
「一生頑張りつづけるの?」
「70歳、80歳になっても一生休みなく働くの?」

答えはもちろん「それはムリ!」です。


人間って、なにごとも懲りると止めてしまう性質をもっています。
なので、頑張るのを止められないという方は、「将来もずっとそうしていたいのか?」と突き詰めて想像してみるのも効果的です。

まとめ

今回は、日本人が頑張りすぎてしまう理由と、どんなときに休めばいいのか、そしておすすめの休み方をご紹介しました。前述したとおり、罪悪感ほどムダなエネルギーの使い方はありません。休むときは休み、そのぶん頑張るときは集中して頑張るというメリハリを意識したほうが、パフォーマンスはずっと向上すると思います。

一刻も早く、頑張りすぎる呪縛から自分を解放してあげましょう。

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Twitter更新中

人生はフルマラソン。経営はその一区間です。 長距離だからこそ、適切な緩急が大切ですね。Twitterでも歴史、神社、史跡を題材に経営力を高めるためのヒントをつぶやいています。

筆者情報

大杉日香理

株式会社ATEA 代表取締役

セミナー講師・作家

これまでの著書が累計34万部にのぼる、ベストセラー作家。

子どもの頃から日本史に興味を持ち、全国各地の神社を含む史跡巡りは、事業開始より10年間で延べ1万カ所以上となる。歴史をひもときながら人生の緩急を整えていく「時代旅®︎コンサルティング」を経営者に向けて実施している。

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